2024/07/08
ウェブ連載をまとめたもの。認知文法の考え方を、生成文法との対比やディープラーニングとの関連を意識しながら紹介する堅くない読み物。
脳神経回路を模したディープラーニングの成功は、生成文法よりも認知文法のパラダイム(用法基盤主義)の方が妥当である可能性を示唆している、という意見はこの本に限らずたびたび聞くけどやっぱりそうなんだろうか。岩波『科学』の連載でこの手の意見に対する生成文法側からの反論があった気がするので読み返すか。
言語相対論や英語教育の意義についても論じられている。認知言語学に反証可能性があるのかを論じた10章も面白い。反証可能性がディープラーニングによって確保できるかもしれないっていう主張の妥当性はよくわからないが。